一方でホールのある別荘という性質上、この家は家族以外にも様々なお客様をお迎えします。このようなひとくくりに出来ない人々のために宿泊の場と晴れの場の両方を提供する必要から、建物は機能ごとにある程度心理的距離のある、やや離散的な形式になることが予想されます。

また、敷地は全周を森に囲まれていて方向性がはっきりせず、設計の手がかりを見つけづらい土地です。このような土地では、通常の南面採光は暗い裏面を作るばかりで適当とは言えません。建物自身も敷地にふさわしい全方位性を持つ必要があります。