2008.04.30
仮称F-House計画では現在見積もりの為の図面を作成しています。特にキッチンなどはお施主さんの使い勝手に直結するため、この段階である程度詰めた検討を済ませておこうと考えています。



初期のキッチンイメージです。空間奥の角方向は外に道が広がっていて綺麗な空が見えることが期待されたため、部屋隅を斜めに跨ぐように大きめの高窓を作ってやろうとしています。が、後にこの窓から隣家のカーポート屋根構造が見えてしまうことが分かったため特別な扱いはやめ、他の高窓と同じサイズに縮小されることになりました。



この絵は、キッチンの使い勝手と収納を検討するために作成したものです。Fさんご夫妻と相談した上で、何をどこへ納めるかを確かめています。



空間全体とのバランスや相性を検討するためのスケッチも作成しました。ダイニング用の椅子としてYチェアを使いたいという要望をうけ、その辺りも絵に反映させています。この頃は木製のキッチンのイメージが強かったのですが、白い壁と木の天井のコントラストを弱めている印象があります。



多人数での使用が重要な要求事項であったため、複数の人間の動きもシミュレートしています。



この絵では高い位置のキャビネット扉板を白くすることで全体が壁に溶け込み始めましたが、まだ方針が徹底されていない感じですね。

この後も検討は進んでいるのですが、Fさんご夫妻と意見が一致していない部分もあるため完成はしていません。出来れば考え方を単純にする方向でまとめたいと思っているのですが、さてどうなることやら。

2008.04.30
 2008.04.21
ゴールデンウィークが近づいて来たので、その前にと仮称S-Houseの現場に来ています。

前回お伝えした通り、全体の様子は足場のせいでよく分からないのですが、部分ごとに少しずつ変化が現れ始めています。今日は樋がつきました。



樋をどのように隠して建物をスッキリ見せるかは、毎回頭を悩ませるところです。ところがS-Houseにおいては敷地の都合上、樋を上手く隠せる場所がありません。そこで反対に、見られてもカッコ悪くない樋を開発することにしました。私自身にとっては初めての試みです。



上は金物屋さんが樋を取り付けているところです。

写真で分かるように、樋は鉄製の継ぎ目のないパイプを加工したものに亜鉛メッキを施しています。写真ではあっさりとりついているようですが、ここまでの道のりは長かった。実際、私は見ていませんでしたが、金物屋さんはこれを現場に運び込んで立てるのにえらい苦労をしたようです。

工事契約前の見積もり時点で既にこういう樋にするつもりだと表明はしていたのですが、関係各位はタカをくくっていたようで。実際に現場に入った際には様々な理由を挙げて既製品の樋に変更するよう説得されたのですが屈せず、「安藤忠雄みたいな樋にする」と宣言して(みんなウンザリ)、なんとか実現にこぎ着けました。



本当に安藤忠雄の樋のようになったかどうかはともかく、やはり既製品の樋に比べるとずっとスッキリしていて、何度も図面を書き直したかいもあったというものです。この後、壁に取り付いた金具類はモルタルで埋められ、全体が白く塗装される予定です。



もう一カ所、テラス上に掛けられた庇にも樋が必要なのですが、こちらは意匠上どうしても樋を付けたくなかったので、非常に薄い樋を壁の中に埋め込んでいます。上の写真は樋が埋め込まれる前の溝を見下ろしで撮ったもの。軒樋の幅も5cm以下になっています。



下から見上げたところです。この後、パイプが取り付けられ、板金でカバーがされます。



本当にちょっとしたことではありますが、おそらくこういうことの積み重ねが建物の印象を作って行くのだろうと思っています。完成が楽しみですね。何度も打ち合わせにつきあって下さった防水屋さん、板金屋さん、金物屋さんに感謝。

2008.04.21
 2008.04.12
忙しくてしばらくブログをサボっていました。S-Houseの進捗をダイジェストでお伝えします。



先週現場を訪れた時の全景です。建て方の時からは、間柱が入れられ筋交いなども取りつけられました。正面以外の外壁は既に防水紙と下地材が貼られています。正面だけはまだスロープ部分(写真右下の黒い辺り)が出来ていないので足場を組む事が出来ず、作業が後回しになっています。



屋根や庇の野地板も張られ、一応雨露はしのげる状態になっています。建物本体の屋根は既に防水工事も済んでいるのですが、ここに映っている庇の上面はまだ手が付けられていません。ある程度本体の外壁等が出来てから取りかかる予定です。



その後、スロープ部分の打設が行われました。

これについては私が東京に戻った後に出来たのでまだ私自身実物を見ていません。この建物の重要なポイントになる部分なので、早く実際に経験してみたいものです。想像している通りに出来ているといいのですが・・。



そしてこれが最新の状態です。スロープが出来た結果、建物正面にも足場が組まれ、建物の姿は隠されてしまいました。この後は完成直前までこの状態が続く筈です。

そういうわけで、着工以来建物の形がどんどん変化する様子をお伝えして来ましたが、しばらくは絵になる変化を見る事は出来なくなりそうです。ニュースソース不足に苦しむことになるかも知れませんが、その分はちょっと違った角度から現場の様子をレポートして行こうかと考えています。

2008.04.12
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