2013.07.21
先日、新しく住宅の設計契約を締結致しました。敷地は江戸川区一之江、久しぶりに東京での仕事ということになります。



と、言っても実は既に一年前から施主のKさんにご相談を頂いており、これまでも事実上確定した仕事として進めて来ていました。写真は今年の2月に敷地を初めて見に行った際のもの。その後ローンの手配、敷地の購入などが片付き、設計についても正式にお任せ頂けることになりました。



敷地は面積が69.86m2、都内では珍しくない大きさですが、山本卓郎建築設計事務所ではこれまでで最も小さい敷地ということになります。アトリエ・ワン時代は敷地面積51.26m2のアコ・ハウスを担当したものですが、独立後は何故か大きめの敷地のお仕事が相次ぎ、そういうイメージが定着したせいか都市型の住宅を設計する機会に恵まれませんでした。つまり今回は待望の都市型住宅物件ということになり、これを機に是非仕事の幅を広げたいと張り切っています。



現在は基本設計の真っ最中、上の写真はボツになったスタディ模型たち。

この時期、アイディア出しに苦労するのはいつものことなのですが、今回は岡崎のカフェ&住宅も似たような段階にある為、両件抱えていつも以上に脂汗を流しながらアイディアを考えたり、アイディアを考える考え方を考えたりしています。大変ではありますが、ちょっとだけマゾヒスティックな喜びを感じないでもないので、精々今のうちに苦しめるだけ苦しんでおこうと思っています。

以上、「仮称一之江の住宅(K-HOUSE)」についてはまた折りを見て進捗をお伝えして行こうと思います。乞うご期待!

2013.07.21
 2013.07.14
金沢の住宅、ついに写真が出来上がりました。



本当はもう少し前に出来ていたんですが締め切りに追われていて・・なんてことはともかく。ついについに成果として残せる形に辿り着くことが出来、非常に感慨深いものがあります。

それにしてもよほど日頃の行いが良かったのでしょうか、この日は恐いほどの晴天で白い住宅を撮るには絶好のコンディションでした。この翌週には梅雨入りしてしまっていたことを考えると、どうやら千載一遇のチャンスをモノに出来たようです。







屋外だけでなく、室内も真っ白。床まで白く塗ったのは初めてのことですが、やはり一般的な住宅とは全く異なった雰囲気に仕上がっていることがお分かり頂けると思います。

金沢のような多雨多雪地域において全てが真っ白の中庭式住宅という要望は一筋縄では行かないものでしたが、試行錯誤の末「白い洞窟のように外部空間が建物を掘り抜いて形成される家」というコンセプトを持ち込むことで何とか形にすることが出来ました。この辺り、設計の理念などについてはまた機会を改めてゆっくりとお伝えしたいと考えています。



下は寝室から見たテラスの植栽。開口部は敢えて少なめにして、暗めの室内から近隣とは全く異なる異世界のような景色を楽しむことが出来るように計画されています。



そしてこれ、今回の撮影のハイライト。二階のテラスを撮影した写真です。



二階のテラスには薄く水を張って涼を楽しめるようになっているのですが、光の加減で昼間はいい写真が撮れず、朝早くまだ影が長いうちに撮ろうというカメラマンさんの提案により早朝撮影を行ったものです。カメラマンさんの目論見はドンピシャ、ちょっと空恐ろしいほどインパクトのある絵が撮れてしまいました。



写真はまだまだ沢山あるので、近いうちにホームページを整備しなおし、より大きな絵を図面や解説とともに載せたいと考えています。なお、現時点ではサーバーに保存してあるニュースレターの写真が比較的解像度の高い画像で楽しめるので、良かったらこちらもご覧になって見て下さい。
Takuro Yamamoto Architects Newsletter 20130714

完成の際にはまたブログで取り上げようと考えています。是非お楽しみに!

2013.07.14
 2013.07.07
このところ仕事に追われてブログをサボっていましたが、久しぶりに更新。「建築ジャーナル」7月号が発売されました。相変わらず表紙絵を描いています。



今月の特集は「子どもの安全地帯を守れ」。孤児や障害児のための養護施設などがテーマです。

先月のブログでは色校正について話題にしましたが、今月は校正を二回に増やして頂いたこともあり、概ね予想通りの発色を得ることが出来ました。残る反省点は画想でしょうか。

建築ジャーナルは社会性の強い特集が多く、表紙絵も単に建物の絵を描けばいいのではないということが多いのですが、今回は児童の為の養護施設ということでいつもに増して苦心しました。人間を描かないと建物の意味が伝わらないだろうし、問題意識を伝えつつも暗い絵がふさわしいとは思えないし・・。

結果的にはオランダの建築家アルド・ファン・アイクの設計による「子どもの家」を舞台に、庭に面したベンチで少年と謎のオジさんが何かを熱心に話し合っている場面を描くことにしました。アングルや構図はごくオーソドックスなものですが、登場人物を児童と職員にしてしまっては子どもが庇護されている印象が強くなってしまうので、敢えて出所不明の大人と子どもが対等に語り合っているというような絵にしてみたつもりです。そんな感じが伝わっているといいのですが・・。

しかしながら、全体としては新味のない画想になってしまい、やや悔いの残る一枚になってしまったかも知れません。設計演習の授業で、「絵は画想が勝負だ」と学生に呼びかけていることを思うと、内心忸怩たるものがあります。

そんなこんなで相変わらず反省だらけですが、この仕事も残るはもうあと五ヶ月のみ。少しでもいいアイディアが投入出来るよう、頑張るしかありませんね。ちなみに来月の特集は「改正省エネ住宅はやっぱりダメ!」です。これまた難しいお題を・・。

2013.07.07
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