2008.12.28
今年最後の打ち合わせが終わり、仮称F-Houseの現場も冬休みに入りました。



屋根の上に登ったところです。上から見る斜めの中庭は、想像通りのインパクト。防水工事もなんとか年内に終えることが出来、安心して新年を迎えることが出来そうです。



中庭です。太陽の一番低いこの時期でもこの明るさ。空も綺麗に切り取られています。



現場の進捗は今のところ順調、建物も面白いものが出来そうで、来年が本当に楽しみです。

今年はI-Mangoの竣工があり、仮称F-Houseの現場も順調、八ヶ岳の山荘も基本計画がほぼ固まりつつありと、非常に充実した一年でした。スタッフが入ったのも今年の一月のこと、あれからもう一年になるとは・・。時の流れの早さに驚くばかりです。

さて、来年。

仮称F-Houseはゴールデンウィーク頃には竣工の予定、出来ればオープンハウスを開催して多くの方にアピールしたいですね。八ヶ岳の山荘は夏頃着工予定、年内に竣工するかどうか微妙なところですが、これからどんどんペースを上げて作業して行くつもりです。年明けにはI-MangoとH-Orangeの雑誌掲載も複数あり、しばらく話題に事欠くことはなさそうです。来年最後のブログも、充実した一年だったと書いてしめくくれるように、頑張ろうと思います。

最後になりましたが、今年一年我が事務所を支えて下さったお施主様がた、関係各位、ならびにブログを愛読して下さった皆様にお礼を申し上げます。来年もよろしくお願い致します。

2008.12.28
 2008.12.26
10月17日のブログで紹介した、友人の建築家・原口剛の作品「寄居の書庫」が竣工したので見学をして来ました。



外観は前回見学の時点で既に殆ど出来上がっていましたが、新たに外壁が黒く塗られています。



室内の様子です。外観とは対照的に室内は木地のまま、塗装をしていません。敢えて「黒い外皮」と「木の内蔵」から成る建物としたように思われます。



玄関部分の窓から内部を見た所です。

架構の繰り返しもこの建物の特徴ですが、この部分だけはその繰り返しが唐突に切断され、ガラスがはめ込まれています。窓として「穴」を空けたというよりは切りっぱなしという印象で、非常に透明感のある表現に成功していると思いました。建物の外部は黒塗装、内部は無塗装というルールをこの部分だけあえて破って、玄関の屋根裏は屋外なのに無塗装にしてしまっているのも表現を強めるのに一役買っているようです。



小さな建物なのでそれ程要素が多くない分、設計者のやりたかったことはよく分かるような気がしました。特に原口剛については学生の頃から作品を見ていて、どういう建物が好きなのかもよく知っています。人間、やりたいことというのは結局変わらないものなのだなあ・・と、改めて感じました。おそらく、私自身も含めて。

この日は友人連で車を借りて出掛けたので、その後妹島さん設計の鬼石町多目的ホールとヨコミゾマコトさん設計の富弘美術館を見に行きました。二つともとても興味深い建物だったので、また改めてレポートしようと思います。

2008.12.26
 2008.12.20
ギャラリー間の安藤忠雄展に行きました。会期終了間際、駆け込みです。



実物大の「住吉の長屋」再現!が売り物でしたが、勿論我々の目的もそれです。下はパンフレットに載っていた展示風景。ベニヤ製の「住吉の長屋」はギャラリーの窓を貫通し、屋内と庭をまたぐように配置されていました。



実見した建物のスケール感には、非常な説得力がありました。確かに厳しさのある住宅ですが、一方で意外な広さもあり、住宅として成立する包容力も持ち合わせているようです。プランの美しさやアイディアの力強さだけでなく、家としての完成度の高さもこの建物を不朽の名作たらしめている要因だと言えるでしょう。

出来れば写真を撮って空間体験をお伝えしたいところなのですが、残念ながら撮影は全面禁止、その上見張りが三人もいて、とても見逃してもらえそうにありません。帰り際にビルの外からチラリと見えるベニヤを撮影するのが精一杯でした。



それにしても、展示図面や写真を見ていて感じたのが、安藤氏の運の強さです。

というのも、この建物は三軒長屋の真ん中を切り取ってそこにコンクリートの箱を挿入しているわけですが、果たしてこれが三軒長屋の端っこだったら同じように力強く感じられたか?と考えると、若干の疑問があります。全く同じ設計であったとしても、現在のように文句のつけようのない名作、という感じとはちょっと違ったのではないでしょうか。たまたま三軒長屋の真ん中であったことが、建物の印象を強くしているのは間違いないと思います。



一方で、三軒長屋の真ん中を切り取るというより困難な工事(両隣の人をどうやって説得したのでしょうか)をやりとげた安藤氏の力量には、感嘆の念を禁じ得ません。これこそが運に見合うだけの実力、ということなのでしょう。脱帽と言う他ありません。

2008.12.20
 2008.12.14
仮称F-Houseの建て方がありました。最も劇的に現場が変化する一日です。



朝八時過ぎに現場に着くと、既に大工さんは仕事の準備を始めています。総勢7名。我々も大急ぎで土台等の最終チェックを行います。



やがて木材を積んだトラックが到着、荷下ろしが始まりました。作業開始です。



建物の基礎を、南側から見たところです。前日までに敷いておいた土台の上に、所定の柱を差し込んで行きます。



柱が一通り立ち並ぶと、今度は梁を載せる作業が始まります。







大工さんが作った、いわゆる板絵です。我々の描いた設計図が、大工さんの世界での約束事に翻訳して書かれています。記念にもらえないかな?



朝からどんよりとした天気でしたが、次第に晴れ間が広がって来ました。午前11時頃には、既にかなり形が分かるようになっています。

この後、所用により現場を離れたのですが、作業は順調に進み、夕方には予定の作業をつつがなく終えることが出来ました。

そういうわけで、私自身はまだ軸組が完成した状態は見ていないのですが、昼前の状態でも既に空間の概略は感じられました。角度のついた中庭は想像した通りのダイナミックさで、今後がとても楽しみです。年内に屋根を貼って防水ををして壁下地を貼り、屋内で作業出来る状態にして正月を迎える予定です。

2008.12.14
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