2010.04.29
東京国立近代美術館で、4月29日から「建築はどこにあるの?7つのインスタレーション」と銘打った企画展が始まりました。オープニングパーティーの招待状を頂いたので、私もちょっとお邪魔してみました。



建築家をパンフレット掲載順に紹介すると、伊東豊雄、鈴木了ニ、内藤廣、アトリエ・ワン、菊池宏、中村竜治、中山英之、の7組となります。

私自身は、アトリエ・ワンのつながりでご招待頂いたのですが、他の出展者も比較的縁のある方が多く、会場にはちらほら知り合いの方がいらっしゃいます。鈴木了ニさんは大学時代の先生ですし、菊池さんはアトリエ・ワンのスタッフと友達で、事務所に遊びに来られたこともあります。内藤さんは大学の大先輩ですね。ちなみに内藤さんと私とは行きつけの歯医者が一緒で、待ち合い室で内藤さんを目撃して驚いたことがあります。



会場はご覧のような盛況、はるか向こうに一つだけこっちを向いている顔が挨拶をしている伊東さん(の筈)です。



会場に入るといきなり圧巻、中村竜治さんの作品です。

種も仕掛けもなく、ただただプラスチックの棒が立体最密格子状に接着されて組み立てられています。ただ、その量がすごい!十数メートル三方の三角形平面x高さ2メートル弱が全て精密な格子で埋め尽くされています。巨大な存在感があるにも関わらず、物体そのものは非常にふわふわとあいまいで、大きさと重さの印象が全く一致しません。

これだけの物量を投入すればそりゃあ、すごくもなるさ!と思わず言いたくなりますが、しかしやはり印象は圧倒的です。たとえこれが反則だとしても、非常に印象的な反則だと言わざるを得ないでしょう。



近くでみるとこんな感じです。会期が終わって壊される時が見ものだな・・。作業された方々はお疲れさまでした。



他に人気があったのが、内藤さんの作品ですね。暗い部屋の天井から線上のレーザーがびっしりと床に向けて照射されていて、布が床に置かれています。ただそれだけなのですが、人間や布がレーザーの中に入って動くと、SF映画のような不思議な世界が発生します。



これは伊東さんの展示。今治で計画中の美術館のアイディアをインスタレーションにしたようですね。最近の伊東さんは何でもありという感じですが、これが建物になって果たして面白いかどうかはちょっと疑問。

会場を歩いていると、アトリエ・ワンの現スタッフに声を掛けられました。山本さん、アトリエ・ワンの作品見ましたか?あれ、そう言えば見なかったなあ。どこ?



外ですよ!来る時に見なかったんですか?

ちょっと責められてしまいました。暗かったので気付きませんでしたよ。

タイトルは「まちあわせ」、竹でつくられた実物大のゾウやキリンのおなかの下にベンチが置かれています。実際にあるとなかなか楽しいシチュエーションですが、夜だと気付かずに過ぎてしまう人が多いかも・・。逆に昼間みると爽やかそうなので、また明るい時間に見てみたいですね。

2010.04.29
 2010.04.20
このたび、金沢市で新しく住宅の設計をさせて頂くことになりました。敷地訪問その他のため、学生時代以来久しぶりで金沢を訪れました。



人気の観光地ということで、駅とその周辺は非常に良く整備されています。そしてなんだかスゴいものが駅前に建っている!



この日はたまたまひどく寒い一日でした。東京では、四月なのに雪が降ったようですね。

金沢はまだ寒いかもと思って厚着をして来て助かりましたが、そうでなければ危なかったかも知れません。既に桜は半分散っていたのに指先がかじかむ寒さで、やはり金沢にとっても異常な一日だったようです。

上の写真は雪をかぶった白山連峰。太平洋側の人間にとって、南側に山の見える風景はなんだかとても新鮮に思われます。



そしてこれが敷地です。まだ更地になったばかりで、計画案は全く決まっていません。ここに一体どんな建物が建つものやら・・。ひとり、しばし散策を楽しみました。

敷地についての詳しいことはまた改めて。現在、この敷地をどう解釈しどう料理するかを考えているところです。



この日は主に役所回りの予定だったのですが、そんなこちらの都合を知ってか知らずか、市役所の隣にSANAA設計の「金沢21世紀美術館」が建っています。

仕事中は我慢しようと思っていたのですが、昼休みの役所は完全に機能が停止していて待っていても仕方ありません。やむを得ずちょっとだけ中を見て来ました。

市民がどこからでも無料で入れる美術館というコンセプトのおかげで、結局この日は通算三回通ってしまいました(仕事をちゃんと済ませた後で)。たまたまSANAAがプリツカー賞を受賞した直後ということもあり、そこここに祝!みたいなコメントが書かれています。

この建物については、是非稿を改めて再度取り上げたいと思います。日本国内は沖縄・鹿児島・北海道を除いてほぼ見たい建物は見尽くしていたのに、この美術館だけは訪れる機会がなく、次旅行に行くなら金沢だと思っていた矢先に頂いたお仕事でした。運命的なもの・・であればいいのですが。



翌日は天候も回復し、お施主さんであるIさんご夫婦と合流して敷地を巡り、打ち合わせを行いました。敷地のそばには土筆を発見。



さらに翌日も天気に恵まれ、無事敷地周囲のリサーチ作業を終え、東京に戻って来ました。

前述した通り、今のところプロジェクトはまだまだ始まったばかりで、一体どんな住宅が建つのか私自身も想像がつきません。

ただ、Iさんご夫妻はかなり積極的にユニークな住宅を希望されており、ちょっとやそっとの案では納得して頂けなさそうです。プレッシャーはかかりますが、やりがいのある仕事になりそうでとても楽しみですね。いずれ進捗があったら、是非計画案を紹介したいと思います。



最後にオマケ、敷地の近所をさりげなく流れていた川の名前にびっくり。たまにテレビなんかで紹介されたりするのだそうです。

2010.04.20
 2010.04.10
早稲田時代の同級生S君に連れられ、彼が担当している美術館の現場を見学させてもらう機会がありました。



S君は早稲田時代、設計製図などの成績を競い合う私のライバルの一人でした。卒業後彼は某大手建築設計事務所に入社し、幾つかのプロジェクトを経て、今回腕を見込まれて注目物件の担当に引張られて来たようです。・・美術館の設計をやらせてもらえるなんて、うらやましい限り。



現場に飾られた完成予想図です。何本もの湾曲したチューブが身をよじりながら重なり合い、建物が形成されています。中でも一本のチューブは先端が30m以上跳ね出しており、非常にダイナミックな印象を作り上げているのが分かります。



既にカーブしたチューブの一部が姿を現しています。Pコンが細い!

引き続いて、建物内部の紹介・・と行きたいところなのですが、まだ発表前の建物、勝手に公開してしまうわけにも行かないので、ここはちょっと自粛しておきましょう。外部の力強い造形に目が行く建物ですが、内部は内部で細かい部分にまで凝った設計がされており、見せ場の非常に多い建物だと感じました。

美術館に関しては、近々公式なプレスリリースも予定されているそうなので、ニュースか何かで目にする機会があるかもしれませんね。オープンは今年10月、その頃にまた改めて紹介する機会を設けたいと思います。

2010.04.10
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