2007.06.31
仮称S-houseの模型が出来ました。



スケールは1/50、スチレンボードに紙を貼って彩色してあります。前回ブログのスケッチとも見比べてみて下さい。



平面形を写したものです。

模型では表現されていませんが、建物の西隣(写真の右側)にSさんのご両親のお宅があります。この建物は敷地の北側(写真下)に寄っており、南側(写真上)は庭になっているため、S-houseも同様に建物を北側に寄せ、南側の庭を両家が境目なしに共用出来るようにしてあります。特徴的な平行四辺形は敷地の形状に沿って住宅を南に寄せた結果生じたものです。



建物前面のスロープと車庫上のテラスです。テラスは庭の東端にあり、緑化されたスロープによって地面レベルとつながれて庭の一部として機能すると同時に、二階に配置された居間にも隣接し、縁側のような役割を果たします。テラスは庭と屋内をつなぐ一方、前面道路とのレベル差によってややプライベートな空間にもなっており、居間はここを緩衝空間として採光や通風を確保しています。

この後はしばらく工事費用の見積りや確認申請など、再び画像にならない作業に入ります。頑張って仕事を進めて、早く現場のレポートをお伝えしたいですね。

2007.06.31
 2007.06.24
仮称S-houseの見積り図面が完成し、さきほど工務店に郵送致しました。疲れた・・・。

S-houseについては、常々進捗をブログに載せたいとは思っていたのですが、ずっと地味な図面作成作業ばかりでなかなか絵や話になりそうな動きがありませんでした。見積り図面の完成はちょっとした節目なので、この機会に少しだけご報告を。



上は外見の検討作業に用いているスケッチです。

白い家をとのSさんのご要望から、外見はかなりオーソドックスなモダンスタイルになっています。このスケッチからうかがえる特徴は主に二点。一つは芝生を張ったスロープを介して庇のある二階のテラスへと庭がシームレスに続いていること。もう一つは建物正面が中程でばっさりえぐりとられた形をしており、そこから立体的な採光を試みているということです。

この「えぐりとられた形」についてはまだ試行錯誤をしており、最終的にはもう少し大胆なイメージにしたいと考えています。一時期はV字形にカットすることで建物がちぎれそうな形に見せようとしていたのですが、実用上の問題から現時点ではやや大人しめの形に。何かもう少しピル的ではない表情を加えたいと思っているのですが・・。まだ検討の余地はありそうです。

今はまだ説明に使えるような画像の用意もないので、コンセプトなどについてはまた改めて。来週は模型を作ろうと思っているので、完成したら写真をアップしようと思います。

2007.06.24
 2007.06.15
先日、久しぶりにH/Orangeの取材がありました。「新しい住まいの設計」という雑誌のものです。生活を主体に住宅を紹介している雑誌なのですが、家を建てることを考えておられる方は専門的な建築誌よりもむしろこういう雑誌を読まれるようですね。施主であるMさんの奥様も、建てる前には何度か読まれたことがあったそうです。



Mさんご夫妻は、既に取材も何回目かなので慣れたもの。生活感を出すためにお二人にも登場して頂いて、撮影が行われました。

当日はあいにく不安定な天気で、時に小雨もぱらつく空模様。撮影には支障はなかったようですが、この家はやはり青空のもとで撮って頂きたかったですね。jtの時もそうでしたが、この辺りはどうにもツイていないようです。



今回はバス・キッチン特集ということで取り上げて頂いたので、ご夫妻にはお料理のフリをして頂いています。

編集のMさんが色とりどりのパプリカや紫のキャベツなどを買って来て下さったのですが、やはりこういうものがあると写真がパッと華やかになるみたいですね。この辺りの感覚は、生活系住宅誌ならではという感じです。

おそらく雑誌にはそれらしい写真が載ると思うのですが、実際の撮影の瞬間には、お二人にリラックスして頂く為に編集の方が全く関係のないことを話しかけていたりします。

そんなわけで私自身は建物のコンセプトをライターさんにお話したりする以外は大した役目があるわけでもなく、モノを運んだりする労働力程度のつもりだったのですが。最後に建築家の顔写真を載せるコーナーがあると言われ、予想外のことだったのでビックリしてしまいました。

いざ自分がモデルになると、どういう顔をしていいのか分からないものですね。編集のMさんに「笑顔で!」と言われたので頑張って笑ったのですが、おそらくちょっとあいまいな顔をして写っているのではないかと危惧しています。

実際に掲載されるのは、「新しい住まいの設計」の10月号、発売は8月だと聞いています。多くの方々にアピール出来るといいのですが。

関係各位、どうもありがとうございました。

2007.06.15
 2007.06.06
楽器練習室が完成しました。かなり予定より遅れてしまいましたが・・。快調だった工事前半と打って変わって、後半はトラブル続きでした。



換気扇はサイズが合わない。
塗料は指定と違う色が来る。
窓枠が設計より小さく、用意したガラスが入らない。

などなど。その都度中断したり仕切り直したり、途中で関西出張があったせいもあり、ずいぶん時間がかかってしまいました。しかしながら、その甲斐もあり、めでたく竣工。当たり前ではありますが、完成予想図の通りですね。



内装は床以外全てコルク、吸音効果と価格から決めたのですが、写真で見ると室内までオレンジ色に塗られているように見えますね。実際には一面木の色、という感じです。

今回はほとんど意匠的な冒険は行わなかったのですが、窓だけは少し頑張って、部屋の角を上から下まで通して開口にしました。

上の写真からも分かる通りこの方針は上手く行き、まるでガラスも何も入っていないかのように見えます。部屋の閉塞感を和らげる上ではかなり効果的でした。



室内の反対側です。給排気型の換気扇を入れ、ダクトやフードには防音処理を施しています。これも良好に機能しており、音漏れもないようです。



中で楽器を試奏してみましたが、懸念された音の反響はあまり気にならず。反響がひどい場合には吸音材をさらに貼る予定だったのですが、その必要はなさそうです。



もっとも、いいところばかりではなく、イマヒトツなところも。

ドアはかなり厳重なものを作ったのですが、やはり少し音が漏れてしまっています。市販の練習室よりはマシなので実用上問題になる程ではないのですが、出来れば周囲に全く気兼ねなく練習出来るといいなあと思っていたので、もう一息の性能があれば・・というのが正直なところです。二重扉にすれば完璧だったのかも知れません。お金がかかってしまいますが・・。

そういうわけで多少の反省はあるのですが、何はともあれ完成に漕ぎ着け、ホッとしています。

思うにこれも友人Sのバックアップがあればこそ。最後は施工まで手伝わせてしまって申し訳ない。心から感謝しています。是非是非、頑張って練習して下さい。

2007.06.06
Top