2012.01.29
先日、オープンデスクで仕事を手伝ってくれたことのある学生O君が、阿部勤自邸の模型を作って持って来てくれました。



昨年9月に阿部勤自邸を訪問する機会がありましたが、たまたまO君が関心を持っているのを知っていたので、彼にも声を掛け、連れて行って上げたことが背景にあります。この件は9月24日のブログに取り上げられているので、良かったらそちらもご覧になってみて下さい。

blog201109.htm

その後、O君は学校での作品を手に批評を求めて事務所にやって来たのですが、その際に自作の阿部勤自邸模型も持って来てくれました。彼もその構成美に感銘を受け、研究してみたくなったようです。



私自身も、学生時代には似たようなことをした憶えがあります。幾つかやりましたが、最も力を入れて作ったのがマリオ・ボッタ設計「リヴァ・サンヴィターレの家」でした。



O君をビビらせてやろうと思って引張り出して来たのですが、ホコリだらけになっていました・・。上は完成時に撮った写真。ブリッジを真鍮棒のハンダ付けで作っているあたり、学生当時の妙な気負いが伺えます。



模型の腕前についてはともかく(?)、自分から作品の批評を求めて来るO君のガッツには好ましいものがあります。作品の批評は、こちらにとっても自分のバックグラウンドを明らかにし、その上で良し悪しの基準を明確にする必要があるため、自らを省みる手段の一つとして欠かすことが出来ません。

今年度は芝浦工業大学で非常勤講師を始めたため、学生の作品を見て講評を行う機会が多かったのですが、一年目は試行錯誤が多く、そちらの方は必ずしも満足の行くものとは言えませんでした。カリキュラムの都合からエスキスには多くの時間が割かれていたのですが、反対に最終的な作品に対して講評を行える時間が限られており、作品を作らせただけで学生を投げ出してしまったような観があります。



もっとも講評会自体はちゃんと行われているので、私自身の技術的な問題が大きかった点は否定出来ません。バックグラウンドを共有していない人々に対して、短時間で効果的にこちらの考えを伝えるということは建築家にとって必要な技術であり、その点まだまだ学ばねばならないところが多いと痛感しています。

先述した通り、他人の作品への批評はすなわち自分自身の設計思想を映す鏡であり、それを言葉にする機会を持つことは、普段の設計活動とはまた違った研鑽の場だと言うことが出来ます。非常勤講師の仕事はしばらく続けさせて頂くことになっているので、今年の経験を糧に、来年以降も批評を通じて自分の考えを磨き上げる取り組みを続けて行きたいと考えています。

2012.01.29
 2012.01.09
少し前のことになるのですが、著名なオランダ人建築家レム・コールハースの講演を聴きに行く機会がありました。



こういうのは元々あまり興味がある方ではないのですが、義兄と姉の東京滞在中で、二人に誘われて行くことにしました。上は講演中の写真。遥か彼方でマイクを持っている人物がコールハースです。

さてさて、これはこれでそれなりに面白かったのですが、今回のトピックは別のところにあります。この講演の際にたまたま品のいい初老の西洋人夫婦と席が隣になったのですが、話してみるとなんと駐日オランダ大使ご夫妻でした。



驚いたのは、我々は建築家だと話をすると、良かったらオランダ大使館を見に来ないかと誘ってくれたことです。確かに、オランダ大使館は道を挟んだ反対側ですぐ近所。意外な成り行きにビックリしましたが、こんなチャンスを逃す手はありません。



というわけで状況の説明が長くなりましたが、大使ご夫妻に案内されてオランダ大使館を見学して来たというのが今回の話題です。上は玄関から入ったホール。ホール形式の動線接続は日本の建築とは全く異なる西洋的な設計思想の産物で、日本で目にすることは多くありません。一国を代表する施設だけあり、いい材料を用いたしっかりした作りになっています。

建物自身は関東大震災で倒壊した先代の大使館を再現するという方針で、1928年に建てられたものです。港区内では戦争中の爆撃を免れた建物は数少なく、現存する最も古い建物の一つなのだそうです。かつては大使館の窓から品川の港が見えたのだとか。



下は大使執務室、青いシャツにブレザーの人物が大使さんです。さすがオランダ人、背が高い!



ツアーは約1時間にも渡り、日蘭関係の歴史や戦争の時の話、オランダの歴史も交えて非常に丁寧に建物の解説をして下さいました。

現在のオランダはコールハースを筆頭に野心的な建築家を輩出している国として知られていますが、私自身はまだオランダに滞在した経験がありません。機会があれば行きたいと思っていたのですが、今回の経験でますますオランダに対する関心が強まりました。親善と友好が大使さんのお仕事だとは思いますが、見事にその役割を果たしておられるようです。

今回は他国の方に自分の国をアピールしてもらいましたが、逆の機会も当然あるはず。自分もチャンスがあれば海外からのお客さんに日本をアピールしたいものです。そんな思いもあって以前から日本の歴史を英語で読む試みを始めていたのですが、このところ仕事に紛れて御無沙汰になっていました。この機会に、また勉強を再開してみたいなと考えています。

2012.01.09
 2012.01.01
あけましておめでとうございます。



例年は年末にもご挨拶を書くのですが、今年はクリスマス以後に用事が続いたため手が回らず。年始にまとめてご挨拶させて頂きます。今年もよろしくお願い致します。

上の画像は今年お送りした年賀状です。年賀状にはここ数年、進行中の計画のドローイングを使用しています。

今年は金沢にて計画中の仮称・I-HOUSE。マッシブな建物が朝日を浴びて白く輝く姿を描いてみました。今年前半のブログはこのプロジェクトの話題を中心にお伝えすることになるでしょう。是非いい住宅にしたいものです。

多くの方々にとってそうであったように、昨年は私にとっても激動の一年でした。今年は果たしてどんな一年が待っているのか・・。平穏であれとは思いませんが、意味のある一年を過ごすことが出来ればと考えています。改めてよろしくお願い致します。

2012.01.01
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